そして撃沈!
なんつーか、ものすごく地味というミニマルというかホラーというか…。乱暴に言えば、「オペラ座の夜」が好きでQueenを買ったのに「世界に捧ぐ」だった、みたいな…。
でも、当時はLPなんてそうそう買えなかったからしつこく聴いた。聴き倒したら体に染み付いてしまった。
- 1. Snack Attack
- 今で言うとラップですかね。当時はこういうのは慣れてなかったので聴き通すのが結構つらかった。
- 2. Under Your Thumb
- キレイな曲ではあるのだが、どこからともなく女が出てきて叫ぶのです「あなたの思い通りにはならないわっ!」。結構ホラーです。
- 3. Joey's Camel
- これもまた語り調の曲。なんか砂漠で冷たいビールに焦がれつつ毛布にくるまってぐだぐだ言っている男の歌。結構悪夢です。
- 4. The Problem
- さらに気が滅入る語り調の曲。ある男の一日を事細かに数え上げて…、ああ、いやだ、こんな人生。
- 5. Ready For Ralph
- ラルフさんのために用意した部屋。誰のためでもないラルフさんのために。でもラルフさんがいない。…気が狂いそうです。
- 6. Wedding Bells
- ポップな曲ではあるのだが、全然かみ合ってないのに結婚式まで持ち込まれた男がぐだぐだ言っている歌。結構昼メロです。
これ、シングルになってたな。 - 7. Lonnie
- 42歳のロニーさんは負け犬、だそうだ。一段と惨めです。
- 8. Sale Of The Century
- 曲だけ聞くと普通にポピュラーソング。イボンヌさんを残して家出するそうです。59歳にもなって家出…。
- 9. The Party
- また冒頭の曲と同じような異次元感をかもし出す語り調の曲。何故かとても能天気。みんな~、ぼくの誕生パーティーに来てくれ~。なんか虚しいです。
今回は英語がだいぶ平易になっている。
ええと、当時はあまり英語がわからなかったし訳しながら聞くこともしなかったのだが、改めて聴いてみると、どん底、ですな、これ。カラオケに入っても歌いたくないような惨め系歌詞。
何でか知らないけど、このアルバムは売れたそうですよ。世間は他人の惨めが好きなのだろうか。
前作"Freeze Frame"は歌の内容こそよくわかんないけどサウンドのキチガイ加減がG&Cしてて、その道の人にはお勧めしたい作品なのだが、これは…、慣れるまで時間がかかると思う。
慣れるとクセになるんですがね…。
いっこだけ、めずらしくライブ映像があった。といってもこれ、TV用の口パクライブだと思うが。
"Under Your Thumb" by Godley and Creme
歌っている髭のおじさんがケビン・ゴドレイ。淡々とキーボードを弾いているのがロル・クレーム。
「Wedding Bells」のPVはモータウンのボーカルグループっぽい演出で、下手っぴな二人の踊りが笑えましたw( https://youtu.be/T2l_OBsq3Lc )当時イギリスである程度シングルが売れたのに、なぜ日本盤が出なかったのか疑問です。やはりアメリカのチャートが基準だったのでしょうかね。
私事で恐縮ですが、数か月前G&CをきっかけにテンプテーションズなどのR&Bを聴くようになった、とケヴィンのインスタグラムに書き込みましたら本人から喜びの返信が来ましてびっくり仰天しました…。
おっと、トマリカさんでも最初はアレでしたか。
あ、日付には注目していなかったです。ケネディー暗殺の日ですね。それを知れば後半の歌詞が釈然としますね。
なんとケビンからコメント! それはバクバクものですね。
後にG&Cは『JFK暗殺の真相』というドキュメンタリーの監督をやっているんですよね。こんなところにヒントがあったのかと膝を叩きました。
ほんとうろたえてしまいました…( ゚ ▽ ゚ ;)拙い英文だったにも関わらず、かなり喜んでくれたようで大変嬉しかったです。モータウン、スタックスは青春時代のサウンドトラックだと言ってました。
ああ、私も"Under Your Thumb"が救いだったかも、ホラーだけど。
JFKにはこだわりがあったんですね〜。